電車の線路で感電するのか

こんばんは、ヒトデボーイです。
子供の頃に見たアクション映画で、タイトルは覚えてはいないのですがこんなシーンがありました。
地下鉄駅のホームに追い詰められ、ホームから降りて線路上を逃げる主人公。
線路上に降りた彼は、タイミング悪くやってきた電車から身をかわそうと
線路のわきのスペースに転がり込みます。
しかし、このスペースには線路とは別の鉄のレールがあり、
そこには凄まじい電気が流れていたのです。
と、こんなシーンでした。
その映画の影響で、私は今でも線路のわきのスペースにはとんでもない電気が流れている何かがあると思っており、
もしも線路に落ちた場合には触れないように注意しないとな……などと無駄に空想してしまうことがあります。
そこで今回は、線路付近に本当に感電してしまうものがあるのかどうかまとめていきたいと思います。
そもそもの電気の仕組み
まず電気の基本的な仕組みとして、電圧(V)の差によって電流(A)が流れるというものがあります。
電圧の差が大きければ大きいほど流れる電流も大きくなるということです。
ちなみに、一般的な電車で使用される電気の電圧は最高で2万5千Vにもなります。
そして、人間には電気は流れていないので0Vとなります。
人間の抵抗値(Ω)は約5000~10000程度なので、これらの数字をオームの法則に当てはめると、
V=RI
25000(V)=10000(R)×I(A)
I(A)=25000(V)÷10000(R)
I(A)=2.5(A)
上記のような式となり、電車で使用される電気が人体に流れた場合、その電流の値は2.5Aとなります。
人間は100mA以上の電気が流れると致命的と言われていますので、2.5Aではまず助からないでしょう。
それでは、線路上で感電してしまう可能性があるのか解説していきます。
<スポンサーリンク>
線路上で感電する可能性があるのか?
結論から言うと、基本的には感電する可能性はありません。
先ほどの電気の仕組みで解説しましたが、電気の特徴として、電圧(V)の差によって電流(A)が流れるというものがあります。
それでは線路を流れる電気の電圧がどの程度なのかというと……なんと0Vなのです。
一般的な電車で使用される電気の電圧は最高で2万5千Vと話しましたが、
これは線路ではなく、線路上にある架線を流れているのです。
架線(2万5千V)に手をかけ、地面(0V)に立った場合は2.5Aの電流が体に流れますが、
線路(0V)を片足で踏み、もう片足で地面(0V)を踏んだ場合は電流が流れることはないのです。
ただし、例外として感電してしまう場合があります。
<スポンサーリンク>
線路上で感電してしまう場合とは
基本的に線路上で感電することはないと書きましたが、一部例外があります。
その例外とは、地下鉄のことです。
先に電車の動作する仕組みを簡単に説明します。
①変電所から架線を使って電気を送電
②電車の車体上に取り付けられたアンテナで電気を受電
③アンテナから電車内部→車輪→線路の順番で電気が流れる
④線路を使って変電所に電気を返還
と、上記の流れとなります。
①の架線に触れることで感電する可能性があると先ほど解説しました。
そして地下鉄の場合はこの架線が線路の隣に敷設されているのです。
この線路のことを「第三軌条」と言うそうです。
「第三軌条」は地下鉄にとって架線と変わらないため、触れると感電してしまいます。
まとめ
子供の頃からの長年の疑問に決着をつけることができました。
線路でいちいち感電することを考えていると、そもそも踏切とか怖くて渡れませんよね。
地下鉄に関しては本当に危ないことがわかりましたので、
もし地下鉄のホームで落とし物などをしても、決して足を踏み入れないようにしましょう。
それでは今回はこのあたりで。
<スポンサーリンク>